Hiroko Nakamura And New Japan Philharmonic
PROGRAM
指揮:十束尚宏 管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:中村紘子
ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調
ベートーヴェン:交響曲 第5番 ハ短調 「運命」
曲目解説
M.P.ムソルグスキー(1839〜1881)
交響詩「はげ山の一夜」
ムソルグスキーは「ロシア五人組」のグループに属していたが、五人組の中で番早い時期に夭折した彼には、未完の作品が多く、これらの作品の多くは仲間の後輩だったリムスキー=コルサコフという、管弦楽法の名人の手で補完され世に知られるようになった。
この交響詩もその中の一つで、ムソルグスキーの代表作となっている。この曲のアイデアを作曲者が思いついた段階ではピアノとオーケストラのための幻想曲という形であった。ムソルグスキーはその材料を幾度かオペラに使うことも考えていたが、結局、完成されることなく、R=コルサコフの手で今の形にまとめられた。
原曲はメグデンの戯曲「妖婆」の情景に着想を得たもので、総譜には次のように書かれている。
「地下から響く奇怪な声。闇の精、続いてサタンの出現。サタンヘの賛歌と、暗黒のミサの執行。そして魔女たちの騒がしい宴。そのただ中に村の教会の鐘が鳴り始め、闇の精は消えていく。夜が明ける」。曲は不気味な雰囲気に始まり、金管楽器ののファンファーレを伴った饗宴のクライマックスに盛り上げたのち、鐘の音とともに急速に静まり、平和な曉を告げるフルートとクラリネットで終わりを告げる。