しかし、コンテナは各船社が保有する財産であることから、共同利用は難しいのが現状である。また、複数の企業が使用するといった状況下では、メンテナンスのクォリティ面での問題が生じることも懸念される。
そのため、まずは神戸港を母港としたアライアンス内でのコンテナ共同利用の検討や、コンテナのレンタルサービスの活用等について検討していく必要があると考えられる。
<インターネットを活用した空コンテナ斡旋システム>
東日本では、輸送効率化によるコスト削減と排ガス抑制による環境負荷の低減を目的に、平成11年の10月から環境NGO団体がインターネット上で空コンテナのコーディネートサービスを始めており、空コンテナ輸送に着目した新たな物流合理化策として注目されている。
これは、空コンテナの回送情報と荷主の求貨情報とをインターネット上で交換するもので、東日本一帯を対象に内陸部に13カ所のデポのネットワークを構築し、東京、横浜を起点にした輸送をターゲットにするものである。
このような取り組みを事例に、神戸港において企業間の連携のもとに空コンテナに関するコーディネートシステムを構築し、広域な空コンテナ斡旋システムの構築に取り組んでいくことは、コンテナ輸送のコスト競争力の向上を図る上で有効な方策であると考えられる。
なお、空コンテナの輸送は、神戸港の海上輸送のネットワークの活用も視野に入れたシステムとすることにより、内航フィーダー輸送等の新たな需要創出を図ることが期待される。
また、空コンテナ輸送の合理化に関するニーズは荷主企業の要望も高く、今後、積極的に検討していくべき方策のひとつと考えられる。
2] 神戸港荷役の効率化
神戸港の内航フィーダーバース及び外貿バースで行われる荷役作業の合理化を図り、トータルコストの削減を図る。
《提言》
○共同体制による港湾荷役の合理化
○共同利用ターミナルの設置
○共同体制による港湾荷役の合理化
現在、内航フィーダー輸送に関しては内航フィーダーバースと本船バースの2カ所で荷役が発生しているが、直着けや連続バースなどの新たなシステムが構築されることにより、従来の内航フィーダーバースの荷役事業者と本船バースの荷役事業者の共同体制による合理化を進める必要がある。
このような共同体制は、系列外の企業との連携体制となった場合等は、料金設定など、かえって業務の自由度が低下することが懸念され、大幅なコスト削減は難しいといった声も聴かれるものの、設備投資の規模縮小、設備の有効活用、人材の適性配置等により、これらの回転率が高まることによるコスト削減は十分に期待される。