日本財団 図書館


2) 短期的方策

内航海運のかかえる課題を克服し、経営基盤を強化するための短期的方策は以下のとおりである。

 

1] 船腹量削減による需給ギャップの解消

内航海運暫定措置事業における交付金の申請は当初の予想をはるかに上回るペースで行われ、船腹解撤量の増加により船腹量は減少した。しかし、需要が減少しているため、需給ギャップの解消は実現していない。平成11年度に転廃業助成金の交付申請が増加した背景には、内航総連による転廃業交付金が倍額化された等の要因もあったと考えられ、転廃業促進の助成措置の内容によって今後の転廃業の動向も変わると思われる。

現在、多くの事業者は「15年前後続くことになっている内航海運暫定措置事業の資金がいつまでもつのか」と懸念している。しかし、いずれにしても船齢16年以上の船舶は平成15年4月1日以降交付金の対象外になることから、事業の縮小または事業の継続を断念する事業者は所有船を解撤することになるであろう。一方、事業を継続する事業者は所有船をそのまま使用し、代替建造時の免除申請に使うことになるであろう。したがって、「解撤すべきか、いつすべきか」等について慎重な判断を求められることになろう。

現在、事業者は暫定措置事業の継続期間や解撤交付金及び建造納付金の単価についてさまざまに憶測しており、不安を感じる者もある。事業者に不安を与えないためにも、平成15年以降の交納付金単価のすみやかな設定が求められていると言えよう。

 

図5-3. 内航海運暫定措置事業の納交付金の動向

083-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION