3) 内航海運業の経営上の問題点と経営方針
1] 経営上での問題点
これまでに見てきたとおり内航海運事業者の多くは経常赤字と低い自己資本比率に耐えながら事業を行っている。そのような状況をもたらす要因として、多くの事業者は「用船料、運賃の値下り」、「船舶の稼働率の低下」をあげている。
業態別に見ると、貸渡専業者は「用船料の値下り」、「船腹調整事業の解消に伴う資産の目減り」、「所有船舶の稼働率の低下」の順となっており、運送専業者は「運賃の値下り」、「所有船舶の稼働率の低下」、「運賃についての発言力が弱い」の順になっている(図2-41.)。