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2] 自己資本比率

日本内航海運組合総連合会では、運輸省海上交通局長に提出した「内航海運環境整備推進計画について」に基づき、平成8年度より組合員の財務状況等を調査している。その結果から、内航海運業の自己資本比率を3年間について見ると、貸渡業全体(法人+個人)では悪化傾向であるが、運送業は好転傾向となっている。

平成9年決算(平成10年調査)の結果は、貸渡業法人では▲7.5%、個人では▲11.0%といずれも債務超過となっている。一方、運送業は20.3%となっており、平成7年決算分に比べて6.7ポイント増加している。貸渡業では、個人事業者は債務超過ではあるが、少しずつ良化し、法人事業者はこれとは逆に平成7年決算のプラスから8年はマイナスに転じ、9年はマイナス幅が増えている(表2-12.)。

 

表2-12. 内航海運業の自己資本比率(3カ年の推移)

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(単位:%)

出典:「内航海運業経営状況実態調査報告」

日本内航海運組合総連合会

 

次に、近畿の事業者の自己資本比率をアンケート結果に基づいて算出すると、貸渡業ではマイナスの事業者が30%あるものの平均値は13.2%と全国値よりもかなり高い(図2-38.)。アンケートにおいて貸借対照表データを記入、回答した事業者は法人が主であったことが高い値になったひとつの理由と考えられる。

しかし、所有船舶が1隻のみ(一杯船主)では、自己資本比率がマイナスの事業者が43%と多くなり、平均値は2.5%とかなり低くなる(図2-39.)。したがって、アンケートに貸借対照表データを回答しなかった個人事業者を含めると、近畿の貸渡事業者全体の自己資本比率は上記の値よりもかなり低くなると推定される。

 

 

 

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