(5) 商圏・配送圏の変化
○本州側から四国・淡路側へ物流事業者の進出
○地域間・企業間競争の激化
○ビジネスチャンスの創出
商圏や集配圏の拡大は本州側、四国・淡路側両方の荷主及び物流事業者に共通した影響であるが、実際には本州側の比較的体力がある物流事業者が四国・淡路地域での営業活動を積極化する動きが見られる。
四国・淡路側から本州側へ進出した物流事業者の例はそれほど多くないが、両地域の企業規模等(全国規模、地元志向、賃金格差)の相違によるものと考えられる。
インタビュー調査では、本州側のトラック事業者が四国地域での集荷活動を開始した例や、神戸事業所を拠点として淡路地域への営業を積極的に行うようになった例などが見られた。一方、四国・淡路地域から積極的に本州側へ進出した例として、生鮮食料品の産地直送販売の例がある。
商圏・集配圏の拡大は、企業間若しくは地域間の競争激化を加速させたと考えられる一方で、新たなビジネスチャンスを創出したと考えることができる。
(6) 物流拠点、の変化
○荷主は四国・淡路側の拠点を本州側に移転
○物流事業者は四国・淡路側の拠点を本州側に統合
物流拠点がカバーできるエリアが広くなったことから、大阪府、兵庫県、四国では物流拠点や事業所を再編する動きが見られた。
物流拠点再編の動きは、荷主企業では四国・淡路側の拠点を本州側に移転し、物流事業者は本州側、四国・淡路側の2拠点のうち四国側を廃止するというように業種間で若干の傾向は異なっているものの、総じて四国・淡路地域が本州の配送圏に取り込まれるという動きが見られ、四国側の物流拠点立地ポテンシャルが相対的に低下する傾向が伺われた。
なお、物流拠点の機能強化や規模縮小の大きな動きは見られなかった。