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メタノール補給ステーションのコスト

 

出典:米国メタノール財団

 

1999年2月1日

 

委託

American Methanol Foundation

800 Connecticut Ave. N. W.、 Suite 620

Washington、 DC 20006

作成

EA Enngineering、 Science、 and Technology、 Inc.

8401 Colesville Rd.、 Suite 500

Silver Spring. MD 20910

 

はじめに

 

背景

 

米国の道路を走行する2億台以上の乗用車、トラックおよびバスからの排気は米国における大気汚染全体の約半分、主要都市においては80%を越える原因を占めている。連邦政府は1968年以降乗用車と軽トラックに関する排気中大気汚染物質を規制し、1990年からは大型車からの排気を規制し始めている。これらの規制によって自動車1台のマイル走行当たり排気レベルを1970年に比し約80%低減する結果をもたらした。しかしながら、自動車台数および走行距離の著しい増加のため、未だに一酸化炭素(CO)の約60%および揮発性有機成分(VOCs)の約3分の1は自動車が原因となっている。

我々の石油を燃料とする自動車への依存はまた、エネルギー安全保障という大きな問題を提起している。世界の石油生産の4分の1以上が米国で消費され、毎年その約半分が輸入されており、米国経済におけるその代価は600億ドルに達している。運輸部門ではほぼ全面的に石油に依存しており、将来にわたる資源の確保や価格高騰の潜在性は主要な政治課題である。

現在の自動車の持つ性能や利便性の全てを消費者に提供し、我々の石油への依存を減らすクリーンで効率的な自動車が求められている。燃料電池自動車は現在開発中であり、まもなくこの要請に応えることができるようになるであろう。燃料電池は単純構造の電気化学的なエンジンであり、稼動部がなく、水素と酸素が水を作る過程で発生するエネルギーを利用することにより発電する。水素を多く含んだ物質は多くのものを水素源として利用することが可能である。

メタノールは天然ガスや再生可能なバイオマス資源から作られる液体燃料で、燃料電池自動車に必要な水素を供給する動力源として最有力候補となっている。運輸部門においてはメタノール燃料電池利用の技術的実用性が路線バスによって実証されており、2004年もしくはそれより早い時期に、米国や世界中のさまざまな乗用車やトラックがメタノール燃料電池で運行きれるようになると予測されている。メタノールを動力とする燃料電池の商業化により、液体燃料の利便性を維持しつつ、ゼロあるいはほぼゼロに近い排気を突現した上で、なおかつ実用的で許容できるだけの航続距離の長い電気自動車が提供されることが見込まれる。

 

目的

 

メタノール燃料電池自動車を開発するに向けての重大な関連事項として、これら自動車のための燃料供給インフラを整備する必要性がある。今や消費者は自動車用燃料がほとんどどこでも入手できることを当てにするようになってしまっている。そこで現状のガソリン小売店にメタノール燃料設備を付加することによる既存ガソリン流通システムの利用が、メタノール燃料流通システムの構築について最も確実なシナリオとなりうることがひとつの結論として導かれる。

本研究では、この目的を達成するための様々な方法に関する資本コストについてみていく。

 

 

 

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