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先進自動車技術の登場は、燃料経済性の著しい向上の可能性を提供する。直接噴射とハイブリッド電気自動車がガソリンとディーゼルを使用する一方で、燃料電池自動車のための燃料は今なお議論の過程にある。

直接噴射

従来の内燃エンジンはその燃料を、ピストンの爆発行程の前の空気とガソリンの混合気、あるいは各シリンダーに噴射されたディーゼル燃料の混合気である細かい霧の形で受け取る。

直接噴射は空気と燃料が燃焼室に別々に入るまで混合しないという点で従来の燃料噴射と区別される。燃料は高圧噴射装置により燃焼室に噴射される。直接噴射エンジンは通常、性能と熱効率を最大化するために設計されたピストンと燃焼室を持っている。従来の燃料噴射と比較した場合、直接噴射は減少したポンピングの損失とより希薄な燃料/空気の混合、より低い熱損失およびより高い圧縮比を通じてより多くの動力と15-40%良好な燃料経済性を提供する。

直接噴射はガソリンとディーゼル、エンジンの両方のために開発された。このようなシステムの長所を最大化するであろう最適燃料特性を確認するための研究が行なわれている。

三菱とトヨタは日本で広範に直接噴射ガソリン・エンジンを販売しており、いくつかのメーカーがその技術を欧州に導入している。加えて、自動車メーカーと米国政府の共同作業である新世代自動車のためのパートナーシップが、今後数年にわたり自動車の効率性を改善するための主導的なエンジン技術として、直接噴射を認定した。

しかしながら、希薄燃焼運転のため、直接噴射は従来のエンジンよりさらに多くの窒素酸化物(NOx)を排出し、自動車の触媒コンバーターとその燃料の品質規格に大きな負担を与えている。より厳格な窒素酸化物排出の特定が最終的な性能の長所とこの先進技術のコストに影響を与える可能性があるにもかかわらず、将来の排出基準を満たすために、直接噴射の技術と平行して、窒素酸化物の浄化装置が開発されつつある。

 

 

 

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