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炭化水素燃料を水素にするプロセス

水素を自動車に貯蔵することが難しい限り、車載燃料改質器がメタノールやガソリンのような炭化水素燃料が、燃料電池スタックで使用される水素を多く含むガスに転換するために必要とされるだろう。最近では、メタノールを水素に転換する水蒸気改質が有力な技術となっているが、ガソリンのインフラがほとんどの国々で既に整備されているという理由から、ガソリンの水素への部分的酸化も魅力的である。この両方の種類の燃料反応とも複雑なシステムである。

メタノールの水蒸気改質は、水素、二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)および余剰水蒸気を作るために、200℃の(ガソリンは800℃以上の温度が必要)蒸気と蒸気になる前のメタノールの反応を含む。この混合気は追加された水素と同様、ほとんどすべての一酸化炭素を二酸化炭素に転換するために触媒と水を使用する、いわゆるシフト反応器と呼ばれるもうひとつの反応器を通過する。選択的酸化反応器である、第3の種類の反応器の中の混合気に、空気が注入される第3段階がある。空気の中の酸素は一酸化炭素を二酸化炭素に転換するために、白金を含む触媒に残留している一酸化炭素と反応する。最終的なガスの組成は約70%の水素、24%の二酸化炭素、6%の窒素(N2)および微量の一酸化炭素を含む。

部分酸化反応システムにより、液体燃料は最初にガスヘと蒸気化される。そのガスはその後、まず水素、一酸化炭素および二酸化炭素が燃焼から作られるように空気の量を制限する部分酸化反応器の中で点火される。この混合気は一酸化炭素を二酸化炭素に転換するためのシフト反応器を通過させられ、残存したすべての一酸化炭素を二酸化炭素に転換するための選択的酸化反応器を通過する。通常の部分酸化は1000℃までに発生し、触媒の部分酸化は700℃までに発生する。最終的な改質成分は約42%の窒素、38%の水素、18%の二酸化炭素、2%以下のメタンおよび微量の一酸化炭素である。

 

その他の種類のポリマー電解質膜燃料電池

 

水素/空気方式ほどには開発と簡易化が進んではいないが、輸送機器のためのいくつかのその他の種類のポリマー電解質膜燃料電池がある。

 

 

 

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