背景
欧州や北米では、多くの分野でバイオディーゼル燃料に多大な関心が寄せられている。オーストリアやドイツでは、なたね油を利用したメチルエステル(RME)が輸送部門の燃料として利用されている。例えばフォルクスワーゲンは小型自動車向けに、Valmetはオフロード車向けに、RMEを燃料とするエンジンを手がけている。
バイオディーゼル燃料の原料は様々であり、欧州では大半がなたね油を利用してバイオディーゼル燃料を生産している。米国では、大豆を利用したメチルエステル(および大豆を利用したエチルエステル)に対する関心が高い。カナダとフィンランドでは、トール油のような、パルプや製紙分野の副産物に関心が集まっている。ベルギーや日本では、使用済みの植物油エステル(VOE:Vegetable Oil Ester)が検討されている。
VOEは、非常に柔軟性のある代替燃料である。重合などの問題が生じる可能性もあるものの、多くのディーゼルエンジンで代替燃料としてVOEを利用することが可能である。VOEは、通常のディーゼル燃料と混ざりやすいことから、ディーゼル燃料のブレンド材料として利用できる。
世界的に、バイオディーゼル燃料に関する情報が多数公表されている。しかしながら、多くの場合、使用されているエンジンは古い、大量のエミッションを出す農業トラクターエンジンであり、エンジンが違えば、排出ガス性能に違いが生じてくると思われる。これは特に、エミッションを低減するために排出ガス浄化装置を使用するときに当てはまる。バイオディーゼル燃料のエンジンのエミッションについての詳細はほとんど知られておらず、これまでになされている比較研究も、大部分が硫黄含有量の多いディーゼル燃料についてなされたものである。
かなり最近でも燃料の代替やエンジンコンセプト、分析データについての研究は少ない。例えば、モーターテストセンターは、バスのエンジンから排出されるパーティキュレートについての生物学的な試験を含めた研究を実施した。しかし、異なるエンジンや規制されていないエミッションに関する詳細な分析データはない。さらに、コロラド州の燃料とエンジンに関する研究所のGraboski氏は、将来、バイオディーゼルについて、特にSOFやアルデヒドといった規制されていない大気汚染物質のエミッションを測定する必要がある、と結論づけている。