また、海外においては・ヴァンダービルト大学のJames E. Auer教授と日本研究所のPetersen美知子氏、バンコクに所在する海洋研究NGOのSEAPOLのFrances Lai博士、マレーシア海事研究所のB. A. Hamzah所長にはさまざまな形でご指導いただきました。
海洋国家日本にとって、いま、一番緊急なことは海洋政策を立案することです。そのための布石となる研究・啓蒙事業を3年間継続できたことについては、費用の8割を補助していただきました日本財団の皆様に深く感謝いたします。
幸い、わたくしどもの事業が日本財団事業ライブラリーのホームページhttp://www.nippon-foundation.or.jpに掲載され、3000件のリストのなかでも利用回数による年間ベスト10に選ばれたときいています(「ベストヒット」100参照)。3年前に啓蒙・普及事業を始めたときには、海賊問題を始め、海洋の問題にこれほど世間の関心が高まるとは予想しておりませんでしたが、一同タイムリーな啓蒙活動ができたことを喜んでおります。
12月3日付朝日新聞「論壇」には、日本財団の寺島紘士常務理事の投稿「海洋政策のない日本」が掲載されましたが、それによると、「人類と海洋のかかわりの広範さにかんがみ、海洋管理には広く衆知を集めて取り組む必要がある。特に、内外の研究者とネットワークを組み、自由な立場で海洋管理の研究と政策提言を行う民間シンクタンク設立が急務である」(資料3)とのことですが、まことに同感です。
日本財団補助による研究・啓蒙活動にはここでひと区切りつけて、2000年4月からは、自主研究による海洋問題の研究を継続しますが、3年間にできあがった東南アジア、オーストラリア・米国の専門家とのネットワークはこれからも大切にしていくつもりです。日本財団が今後おつくりになる民間シンクタンクに、わたしたちのネットワークがお役にたてば幸いです。とりあえずは、「うみのバイブル2000」が広く活用されることをいのりつつ、どうもみなさま長い間のご支援ありがとうございました。