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加藤 それが、いつ切れるんでしたか。

大内 再来年、2001年春です。それでいま一所懸命、次のスポンサーを探しているところなんです。

加藤 そのカナダのCIDAのお金が切れると、SEAPOLはもう機能停止になるわけですか。

大内 そういうことになります。それで、スウェーデンにもこのあいだ行ったりして、世界中あちこちに探りを入れています。新しい資金源はできれば民間団体にしたいらしいですね。これまでのように政府だといろいろなルールがある。だから、今度は純粋に民間の援助が欲しいというようなことは言っていました。

 

15:北九州でのワークショップ実施とSEAPOL事務局の実力

 

ちょっとついでなので申しますが、北九州で1回限りの単発イベントですが、港湾のワークショップをしたことがあるんです。外国からは10人ぐらい呼んで、地元から10人ぐらい出る。それに日本の企業とかいろいろな傍聴者を入れますと100人ぐらいになりました。そこに例のフランシス・ライ博士をSEAPOLから呼んで、とりまとめをさせた。それからSEAPOL事務局のアンカナー(Ankanar)という、これまた仕事上手で、非常にさばけた国際会議が上手な女性がいます。それとピッパという事務局長が来た。合計三人です。ピッパは事務局長ですが、もともとハワイ大学で博士号を取ってタイに帰った人で、嫁さんがお医者さんで金持ちなものですから、病院の経営は肩書きだけで、実際の仕事にはついていないんです。それでSEAPOLの方を熱心にやっています。この三人が北九州に乗り込んできまして完璧な運営をしました。その時地元でいくら金を用意したかというと、500万円でした。それはホテルからなにから全部入れてでしたね。そしてSEAPOL本部には200万円を送りました。その他必要な金は支援者の方でつくってくれました。それは300万円でもやりますが、原則としてマッチング・ファンドですから、同額出し合うんですね。ですから、500万円単位ですから、そう大がかりなことをやらなくてもワークショップができるんです。

 

16:2004年にせまる国際海洋法条約のレビュー:泥縄式管轄権拡大の動き

 

川村 では時間もありますので先生、次をお願いします。

大内 2004年に国際海洋法条約のレビューの年が来ます。今まで発効してから20年ぐらいやってきましたが、「果たしてこの条約は立法者の意志通りに運用されているかどうか」ということなどを含めて、2004年に「反省と条約改正手続き」が出る可能性があるんです。その時に、例えば、こういう研究会などでの研究の成果を通して、改良してもらうことが可能だと思います。

あちこち手当をしなければいけないところがあるんですが、私が最初から注意注目してきたことは、ご承知のようにカラカス会議で、管轄権について、沿岸国の排他的権利として条約が今までにない形で新たに規定されました。

 

 

 

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