平成11(1999)年度 公海の自由航行に関する啓蒙普及事業 第1回(B) 研究委員会
元日本郵船調査部長が1時間で解説する海運問題入門
第4章 世界海運が直面する諸問題
講師:高瀬鴻((株)日本海運研究所評議員、元日本郵船調査部長)
日時:1999年6月15日
場所:岡崎研究所
出席者:川村純彦(川村研究所所長)、秋元一峰(防衛研究所主任研究員)、小川彰((株)博報堂岡崎研究所主任研究員)、大越敏彦((株)博報堂岡崎研究所客員研究員)、加藤周二(国際経済政策調査会理事)、高瀬鴻((株)日本海運研究所評議員、元日本郵船調査部長)、恵隆之介(評論家・元琉球銀行勤務)、山内康英(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター教授)
川村 それでは、ただいまより、高瀬鴻(ひとし)先生に「世界海運が直面する諸問題」というテーマで1時間お話をうかがいます。なにやら、大変なテーマのお話を事務局からお願いしたわけですが、高瀬さんは、かつて日本郵船の調査部長をおつとめになられ、現在も日本海運研究所において、研究をつづけられていらっしゃる。このプロジェクトにも平成10年度から参加していただいておりまして、気心が知れた研究者でございます。1時間でこれだけ幅広い内容をブリーフしていただく気になりましたのも、高瀬さんにお願いすればなんとかやっていただけるのではないかと思ったからであります。それではよろしくお願いいたします。(拍手)
これからおうかがいするお話のポイントは次のとおりです
1:海運問題の性格と日本における研究
2:海運政策の変遷
2.1:海軍の予備船隊(Sea Power)としての育成保護(戦前)
2次的に通商政策のツール、国威発揚
2.2:高度経済成長の隘路解消、国際収支改善の手段(戦後)
外航船隊整備計画
2.3:石油危機による船腹大幅過剰の表面化
先進国船員の競争力喪失、個別海運企業救済策へ転進