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それでは、この先のお話は山内先生にお願いいたします。

 

これから約1時間にわたるお話のポイントは次のとおりです

1:縦割行政は親のかたき

2:地中海問題を研究する海外のネットワークが接触してきた

3:日本の海洋研究のネットワーク化はまだまだこれから

4:海洋環境モニタリングとは?

5:縦割行政が阻む産業廃棄物の環境に対する影響評価

6:日本でmitigationの思想を実践するには

7:富栄養化問題の解決を阻む縦割行政

8:ナホトカ号事故と縦割行政の欠陥

9:ネットワークと情報プラットフォームが不可欠

10:日本外交の優先的な課題だった漁業交渉

質疑応答

参考資料:NOWPAPについて

 

4:海洋環境モニタリングとは?

 

山内 ご紹介いただきました山内です。いま川村先生から、上手にまとめていただきましたので、わたしのほうでは、肉付けをするだけでいいかなと思うのですが、せっかくの機会であり、このレクチャーシリーズが啓蒙を目的としているとのことですので、環境に関する基本的なお話しからさせていただこうと思います。

まず、海洋環境モニタリングのお話からさせていただきますが、海洋環境モニタリングとは何か? これは、「海洋の生態系システムを保全すること」を目的としたプログラムであり、そのために「継続的に必要な情報を収集・分析する」社会的なプログラムであると定義されております。

これについては、3つの重要な課題があるのですが、1] 産業廃棄物の環境に対する影響評価 2] 産業利用から生ずる沿岸変化の緩和(mitigation)や湾岸海域の生物生産3 3] 石油流出等の突発的事故対処(ナホトカ号事件の事例)であります。

 

5:縦割行政が阻む産業廃棄物の環境に対する影響評価

 

環境問題は皆さんもうおなじみで、さまざまなデータが各省庁から発表されていますが、モニタリングが省庁間の縦割り行政の壁にさまたげられていることは、案外知られていない。日本では、実にさまざまな物質4 について、いま定義しました「モニタリング」が行なわれています。

 

3 産業化に伴い、海岸線が非常に大きな変形を被っているが、これを最低限に抑え修復する社会的なプログラムの手法をCoastal Mitigationと言う。

4 人工放射性核種、石油油脂、重金属(水銀など)、PCBなど有機塩素系農薬、ダイオキシン、有機スズ(船舶の塗料に使われている)、有機リンとカーバイト系の有機農薬、多環芳香族炭化水素(化石燃料を燃やすと出てくる)など。

 

 

 

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