25:石油「コモディティ論」
川村 十市先生のお話をかいつまんでご紹介します。十市先生がおっしゃったのは「石油の戦略物資論とコモディティ論」という話でした。これが非常に印象に残りました。
歴史を見ますと、1960年から70年代は、アングロサクソン系の石油会社が石油市場をコントロールしていた。そのあと、例の石油ショックの時にOPECが石油価格、石油市場をコントロールするようになった。しかし、1980年代半ば以降は競争が激しくなって、石油の需給や価格のコントロールが非常に難しくなった。石油にも、普通の一次産品のコモディティ的な性格が強まった。一言でいうと、石油が為替のように短期的に価格が変動する商品になってしまった。そのような傾向が現在まで続いているということで、曽我さんの話に続くところがあると思います。
また、石油貿易の現在フローは、原油の輸出入が約16億トン、製品が4億トンで、合計約20億トンが動いている。そして、世界の一日の需要が7000万バレル/dayぐらい。ちなみに、日本の中東への石油依存度は減っておらず、各地に分散したとはいうものの86%という高率の依存率であるという紹介がありました。
その他アジアの石油輸入見通し等は議事録に詳しいことが書いてあります。ではこれで第3回研究委員会までのご紹介を終わります。
26:インターミッション
小川 それでは、しばらくのあいだご歓談いただきまして、15分ぐらい事務局の方で次の準備をさせていただきますが、第4回研究委員会の唯是先生の講義内容については、本日は先生がおいでになってませんので、秋元さんにご紹介をお願いします。そのあと、第5回研究委員会の内容については、大内和臣先生ご自身にお話をお伺いしたいと思います。その後、第6回研究委員会は、ただいま終了したばかりでありますが、平松先生にお話をおきかせいただければ幸いです。
それが終わりましたら、自由討議にはいりますが、その前に、問題提起セッションの時間があります。このセッションでは、例えば、海賊という話題について、あるいは、OPKについてなど、川村委員長にテーマを絞っていただきまして、議論をしていただきます。それではご歓談に入ってください。
─ 休憩(歓談) ─