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公共交通機関利用者(107組)の内訳*14は、JRが51組、阪急電鉄が18組、阪神電鉄が9組、山陽電鉄が19組、市バスが9組、船が1組であり、結果的に様々な交通機関利用者について調査することが可能となった*15

このように、利用交通手段として自家用車が多数を占めており、通勤・通学行動よりも車利用への志向が強いことを示唆している*16。公共交通機関利用者では、JR利用者が半数近くを占めている。例えば、京都市内からの観客がインタビューで、

「距離的には須磨海浜水族園よりも海遊館(大阪市)の方が近いが、須磨へはJR一本で乗換えなしに来られるので便利である。特に子供がいると乗換えは不便」(30代の女性2人と幼児1人)

と答えていた。

 

(V) 最寄り駅からのアクセス

須磨海浜水族園の最寄り駅であるJR・山陽電鉄須磨駅、山陽電鉄月見山駅*17を利用した97組に関して、同水族園までのアクセスについて見てみると、徒歩が79組(81.4%)(79組の内訳は、JR・山陽須磨駅からが46組、山陽月見山駅からが33組)、バス利用者が14組(14.4%)、タクシー利用者が4組(0.4%)であった。8割以上が駅から歩いて同水族園を訪れており、観客は同水族園までの距離が、歩くのに抵抗があるほど遠いとは考えていないことが示唆されている*18。ただし観客は、バスが不便であるとの思い込みによって歩いている可能性も考えられるので、交通に関する意識と併せて後ほど改めて議論する。

 

(?) 所要時間*19

自宅から同水族園までの所要時間は、有効となった回答者全体の平均が75分であった。公共交通機関利用者の平均所要時間は66分、自家用車利用者の平均所要時間が82分であり、公共交通機関利用者よりも自家用車利用者の方が16分長くなっている*20

 

*14 須磨海浜水族園に最も近い駅である、JR須磨、山陽須磨、月見山への交通機関を対象とした。神戸市営地下鉄を利用し、須磨近辺の駅で下車してからバスで来園した場合はバス利用者として集計した。大阪市近郊から一旦地下鉄で梅田を経由し、JR大阪駅、阪急梅田、阪神梅田を利用した場合には、それぞれJR、阪急、阪神利用者として集計した。

 

*15 「1996年10月の調査」でも、鉄道を利用して来園した観客の内「JR」利用者が48.6%であり、本調査と同様に約半数がJR利用者であった。

 

*16 平成2年国勢調査によると、通勤・通学で神戸市に流入する人々の18.5%が自家用車を利用している。市内流動では、19.6%が自家用車を利用している(運輸省運輸政策局(1997):『都市交通年報』、p.45)より。

 

*17 山陽電鉄月見山駅前から須磨海浜水族園に直接至るバス路線はない。

 

*18 JR須磨駅では、駅から同水族園まで徒歩で20分かかると説明している。山陽電鉄月見山駅からは、10分から15分と説明している。

 

*19 観客自らが答えた回答ベースでの所要時間である。

 

*20 自家用車利用者で最も所要時間が長いのは、鳥取県、徳島県からの観客で、4時間を要しており、遠距離から同水族園に来ていることが窺われる。これらの人々を除いた平均所要時間は、80分であった。公共交通機関利用者で最も所要時間が長いのは、岡山県、大阪府豊能郡からの観客で、2時間30分かかったと回答している。岡山県からの観客は、JR・山陽電鉄を乗り継いで来ていた。大阪府豊能郡からの観客は、阪急電鉄を利用していたが、阪急池田駅までのアクセスに関しては記述されていない。これらの人々を除いた平均所要時間は、64分であった。

 

 

 

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