今はまだそのクレジットカードでのギャランティー・レザベーションが日本には根づいていません。でも世界では常識として通用していて、カード会社と旅館側の契約をすればいいだけのことなのです。私はそれを根づかせようと思って、いろいろな場面で、日本の中でもカード番号を言うことで予約が取れる形を何とか根づかせましょうと言っております。
○参加者
外国人がたくさん来られる背景に、口コミという形で皆さんのほうに広がっていったと思うのですが、ジャパニーズ・イン・グループでも当初、何か特別なことをして、口コミで広がっていったというような苦労話等がございましたら、聞かせていただきたいのですが。
○澤
ジャパニーズ・イン・グループは20年前に7軒ほどの旅館が集まりまして、「外国のお客様、どうぞ」ということで始まりました。「ジャパニーズ・イン・グループ」というパンフレットを現在ではつくっています。これが今、200万部を超えました。今、1,000カ所を超える海外に配布していますが、どこに配布していますかというのは、あくまでもジャパニーズ・イン・グループの最高の企業秘密というか、財産なので、言えないのですが、20年、1年も欠かさずに飽きもせずにこれを送っていたことで世界に知られてお客さんが来るようになったのは事実です。
それから、私共ではマスコミに500回を超えて取り上げられました。取材に答える時、「澤の屋を喜んでくれるより、皆さんはこの街がおもしろいといって喜んでくれます」といつも言っていたら、街の人たちも「へえー、街全体で外国の人を受け入れているんだって。そう書かれるとしょうがねえよな」と、それは一つの原因かもしれませんが、街として迎え入れてくれるようになりました。
ちょっと道を聞いて親切にされたこととか、そういうことが一番うれしいですし、そういうことはやはりすごく心に残る。だから宿単独ではやはり来た人には喜んでもらえない。街全体なのかなと思います。
地域差があるから、金沢で外国の人を受けますよというアドバルーンを上げても、宿が90%外国の人では埋まらないかも知れませんが、日本の人に加えて外国の人を受けようと、そういう発想でやっていかれることが一番ではないかという気がします。
今日は大変ありがとうございました。