日本財団 図書館


僕が小学六年生の時、どんな試合も負け続けていて、一人でくよくよしている時に、チームのみんなは僕を励ましてくれて、「僕は頑張らなくてはいけないんだ。」という気持ちを起こさせてくれました。この時に僕は、仲間の大切さを痛切に感じました。

三つめは、先輩方の大切さがわかったことです。

僕達が稽古をしていて、良くない点があると、先輩はとても適切なアドバイスをして下さったり、また、剣を交えた時でも良くない点があると、その点を直そうととても一生懸命に取り組んで下さいました。僕が昇段試験を受ける時も、形の練習、実技の練習にも付き添って下さって、僕は無事に、二段を取得することができました。

僕は一年間、キャプテンとして、道場のみんなをまとめるという大きな役割を任されました。「僕がなまけたら、道場のみんながなまけてしまう…。」そう自覚をした僕は、前の先輩のように、先頭にたって頑張らなくてはと、強く決意しました。しかし、いざそうしようとすると、それは、意外に難しく、とても大変なことでした。このことを父に話すと、

「大変なのはわかる。だが、おまえはいろいろな先輩の姿を見てきているはずだから、どんな時に、どんな判断をすればよいかぐらいもうわかるだろ。」

僕は、このきびしい父の言葉を自分自身に良くいい聞かせ、先輩方の姿を思い浮かべながら、今現在、キャプテンとして頑張っています。

僕は今、剣道をやっていて本当に良かったと思っています。今までには、いろいろな困難がありました。つらいこともありました。しかし、僕はこのような経験があったからこそ、今の自分があるのだと思います。僕はこれからも剣道を続け、後輩達の良い手本となり、そして一人の立派な「剣士」を目指し、日々努力していきたいと思います。いつか、先輩方のように、たくさんの後輩を指導できるようになりたいです。

 

掛聲は敵の心を挫くまで

成るべくたかく勇ましくせよ

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION