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そして純正館に行くとその日は茶話会で、皆んながおかしやお茶をのみながら楽しそうに話していたのです。すぐその場でみんなに挨拶をしました。こうして僕は武道学園純正館の剣道部に入ったのです。そこでは、まず基本をおそわり、その次は試合のための稽古にはげみ、やっとやっと自分にあったスポーツではない、武道を見つけました。僕は「こんなにいい武道があるのならオリンピックに入れればいいのに」と思ったことがあります。でもこの作文を書きながらこう思いました。前に言いましたように、武道である剣道と言うのは、勝つためのスポーツではなく、礼儀や心を鍛えるものなのだ。もし剣道がオリンピックに入ったら、剣道はただの勝つためのスポーッになってしまう。そのためにも、剣道をやっている人はやっぱり違うなと言われる人間にならなきゃいけないと思ったのです。

僕は今まで休みが多かったので、これからは何があっても休まないという精神をもって努力をしたいと思います。

丁度、剣道を始めて約五年になるのですが、この五年間で学んだことに、剣道と言う武道にとても感謝しています。剣道をしているとこのごろなぜか僕はスッキリとした気分になることがあります。それは充分に気合を出して思いきった剣道をしているからだと思います。試合の時には誰にも負けない気合を出し、試合でも負けない、そんな剣道が僕の目標です。

 

いろいろと構へはあれど正眼の

外にこゝろをうつすべからず

 

『約束』

 

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愛知県岩倉市

愛知岩倉武道館

中学二年生

木ノ本淳

一つ、私達は礼儀を守ります。

一つ、私達は心を清く体を強く鍛えます。

一つ、私達は信頼される人になります。

一つ、私達は正しい行いをします。

一つ、私達は正しい剣道と学習に励みます。

これは僕の道場の道場訓です。簡単な事のようですが、生涯守りぬいていく事は、とても大変だと思います。でも、いつも心にとめておいて守れるように修業する事で、立派な人間になれると信じています。この九年間、日々自分を省みながら唱えています。

僕は六年生の時にこの体験発表で最優秀賞を頂く事ができました。その時、警視庁の西川清紀先生と、「作文で日本一になれたのだから、今度は剣道で日本一を目指しなさい。」と約束しました。「作文だけなのか、剣道はどうなんだ。」というプレッシャーに負けないよう、一生懸命稽古して、中学一年生の夏、愛知県の個人戦で準優勝する事ができました。その大会では全国大会はありませんでしたが、西川先生との約束に少しは近づけたかなぁと思いました。知多半島の竹内先生にも、「作文だけではなくて、文武両道を目指して頑張っているなぁ。」とおほめの言葉を頂き、とても嬉しかったです。また、今年の七月に警察の愛知県大会で団体優勝し、警視庁で開かれた全国大会に出場する事ができました。

 

 

 

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