日本財団 図書館


『剣道と私』

 

008-1.gif

 

佐賀県鳥栖市

鳥栖少年剣道クラブ

小学五年生

?業?チ

私が剣道を始めたのは、小学一年生の時からです。父も四才上の兄も剣道をしています。小さい時から、兄の試合がある時には必ず家族と応援に行きました。剣道の事は何も知らなかったけれど、一生懸命がんばっている兄を見ていると、カッコいいなぁと思うようになり、それに同じクラブのお姉さん達から、「美帆ちゃん剣道に入らんね」とさそわれて私もみんなと一緒に、剣道ができたらいいなと考えるようになりました。

父にも進められて入部したけれど、初めは何も分からなくて、特に足さばきはむずかしいと思いました。

夕方五時過ぎから七時まで、毎日休まずに道場へ通いました。一番つらかったのは雪がふる寒い日の練習です。はだしの足が、冷たい床とこすれ合ってジンジンしました。かかとの痛い時もありました。

五年生になってからは、重いと感じていた竹刀も力強くふれるようになり、素振りも早くなりました。

今は、女子団体の大将になり、対外試合の回数も増え、だんだんと剣道が楽しくなりました。

男子の団体にも入る事があります。私は、身体が小さいので、男子の体当りには負けてしまいます。そんな私に父は、「女でも男子に負けない根性を持って、思いきりぶつかっていけ」と言います。剣道は技もですが気合で負けたら終わりです。面をかぶれば男子も女子も関係ありません。でも小さな私も、左足をしっかりとはって、ドンと相手を腰でうければたおれない事が少しずつ分かってきました。

私は試合が大好きです。負けるのはとてもくやしいので、いつかはきっと優勝したいと思っています。そのためには、毎日の練習で正しい基本を身につけて、がんばらなければいけないと思っています。自分にきびしく、もっともっと練習にはげみ、心も身体も強くなりたいと思います。

また、剣道を始めてよかったと思う事があります。それは、たくさんの友達ができた事です。試合では、みんなが最後まで応援してくれます。全員が剣道で結ばれた仲間です。苦しい練習も、友達をはじめ両親、先生、先ぱい、後はい、そんな囲りの人達に支えられて続ける事ができました。

一人の先生に言われました。

「世の中には貧しい人々がたくさんいる中で、剣道ができる自分は幸せだと思って下さい」と。

本当に剣道を続けられた事に感しゃしています。剣道を通して礼儀、集中力、忍耐力、そして団結力、多くの事を学びました。

これからも私は、天上をつき抜けて、空いっぱいにひびきわたるような大きな声をだして練習にはげみ、心も技も、もっともっと強くなりたいと思います。

 

道場に入るべき時は身をたゞし

こゝろのかゞみ曇(くも)りなきやう

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION