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[リージョナルシアター・シリーズ]

 

ここ数年、東京以外の地域に定着し、大きな成果をあげている劇団や劇作家が目立つようになった。これまでは、地域で少し才能が認められた人材のほとんどは東京に集まり、東京一極集中を生み出してきた。しかし、現在ではそのような人材は地域での定着をめざし、その結果、地域劇団の活躍が目にとまるようになった。それは今回、公演を実現してくれた7つの劇団に共通して言えることである。

すでに東京は、めざすべき目的地ではなく、通過すべき場所となっていると考えられる。

リージョナルシアター・シリーズと命名したこのプログラムが内包する問題とは、そのような認識が地域劇団に広まるなかで、東京はどうあるべきなのか、ということである。7つの劇団が我々に突きつけた重い課題を受けとめ、ふたたび投げ返すことをここ数年をかけてやりとげようと思う。地方の劇団を東京に紹介しようなどという発想がすでに無効になっていることだけは確実である。

リージョナルシアター・シリーズは、東京国際舞台芸術フェスティバル'99実行委員会と財団法人地域創造、および各劇団との三者による共催事業として成立した。また、トヨタ自動車株式会社とアサヒビール株式会社からの協賛を得た。

東京国際舞台芸術フェスティバルと財団法人地域創造は、各劇団に会場費および付帯設備費と一定額の資金を提供した。また広報、宣伝、制作活動は、東京国際舞台芸術フェスティバル事務局、財団法人地域創造と各劇団が協力して、成し遂げた。なお、チケット収入はすべて劇団のものとなった。

また、各劇団主宰者と演劇関係者による2度のシンポジウムも合わせて開催した。

なお、7つの劇団は、公募によって集まった作品を、津村卓(財団法人地域創造)と市村作知雄(東京国際舞台芸術フェスティバル)の責任により選考した。

 

主催/財団法人 地域創造 東京国際舞台芸術フェスティバル'99実行委員会

共催/財団法人 東京都歴史文化財団

助成/財団法人 全国市町村振興協会

協賛/トヨタ自動車株式会社 アサヒビール株式会社

協賛/財団法人 東京都福利厚生事業団

制作/橋爪優子(東京国際舞台芸術フェスティバル) 宮地俊江(財団法人 地域創造)

制作補/大垣敬子(財団法人 地域創造) 新堂奈緒

 

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リージョナルシアター・シリーズの演出家たち

[左から]弘前劇場/長谷川孝治 劇団カタコンベ/戸中井三太 劇団ジャブジャブサーキット/はせひろいち MONO/土田英生 199Q太陽族/岩崎正裕 桃園会/深津篤史 飛ぶ劇場/泊篤志

 

 

 

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