4.4 石川県の場合
石川県では、ナホトカ号事故に際し、9万7,347人(県及び市町村に登録されたボランティアに限る。非登録者等を含む人数は不明である。)のボランティアが災害ボランティア活動を行った。
本節では、石川県庁が主体となって対応が行われた災害ボランティア活動の概要について取りまとめてみた。
(1) 県による初期対応
平成9年1月7日、ナホトカ号事故発生の報を受け、石川県では災害対策基本法に基づき、知事が本部長を務める「石川県ロシアタンカー油流出災害対策本部(以下、対策本部と呼ぶ。)」を設置、その対応に当たった。
ボランティアの対応は、「県民ボランティア情報センター」が所掌した。ボランティアセンターは平成8年4月に発足した任意団体であり、県の県民文化局県民交流課が事務局を務める組織である。
また、石川県では平成8年5月、県内の41の各市町村に「ボランティア窓口担当課」を設置していた。県では油の漂着が確認された18の市町村の「ボランティア窓口担当課」に対し、ボランティアの受け入れに関する対応を行わせることとした。
(2) 情報の発信
県はインターネットのホームページ、広報誌等を通じ、逐次、災害ボランティア活動に関する情報発信を行った。
(3) ボランティアの登録
ボランティアの登録は「県民ボランティア情報センター」及び18市町村に設置された「ボランティア窓口担当課」で行われた。
災害ボランティア活動は、原則、各市町村の「ボランティア担当窓口課」を通じ登録が行われたボランティアが主体となって実施された。これらのボランティアは、主として18市町村の地元住民及び近隣市町村の住民であったものと思われる。
また、当該登録者のみでは対応できない場合、各市町村は「県民ボランティア情報センター」に対し支援を要請、同センターでは自身が登録を受けたボランティアに対し適宜出動要請を行っていた。