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なお、この保険は、兵庫県及び保険会社により、特別に企画・設定された保険であり、一般に商品化され販売されているボランティア保険と比較した場合、補償面でのグレードアップが図られている。

a ボランティア自身の災害補償(傷害保険)

国内における災害発生時、災害救援専門ボランティアが被災地に派遣された場合において、ボランティアが自宅を出てから帰るまでの間に発生した、急激・偶然・外来の事故により、ボランティア自身が身体に被った傷害に対する補償である。

死亡及び後遺傷害に関しては、地震・噴火・津波災害に派遣された場合にあっては最高1,000万円が、それ以外の災害に派遣された場合にあっては最高5,000万円の保険金が支払われる。また、傷害に伴う入院及び通院については、1日あたり2,000円から5,000円の保険金が支払われる。

b ボランティアの行動が原因となった場合の賠償責任補償(賠償責任保険)

国内における災害発生時、災害救援専門ボランティアが被災地に派遣された場合において、ボランティアが自宅を出てから帰るまでの間に発生した事故、またはこの活動に伴う提供物もしくはこの活動の結果に起因する事故によって、ボランティアが法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害を補填するものである。

対人賠償については、1名に対して1億円を限度とし、かつ1事故あたり2億円を限度としている。また対物賠償については、1事故あたり300万円を限度とし、いずれに対しても免責金額は設定されていない。

以上のように、兵庫県による災害救援専門ボランティア制度は、活動分野を詳細に設定したうえで各々の分野について専門の資格要件を求めている点、有資格者であっても研修・訓練への積極的な参加を求めている点、一般のボランティア保険をグレードアップさせた独自の保険制度に加入させている点等が注目に値する。

(3) 福井県災害時ボランティア登録制度

福井県では、ナホトカ号事故発生前の平成8年11月から、大規模な災害が発生した際にボランティアとして活動を行う者をあらかじめ登録することにより、災害時におけるボランティア活動を円滑かつ効果的に推進することを目的とした「福井県災害時ボランティア登録制度」を発足させていた。以下にその概要を述べる。

 

 

 

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