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4. 考察

表3 東京、伊良湖の比較表(単位はh)

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・第一報時における入航予定時間ズレと入航指示時間ズレにおいて平均時間、標準偏差を比べ、余り差が無いということは、比較的自己の申請した入航時間で、入航できることを意味している。

・東京湾は、時間ズレの平均時間、標準偏差が、伊良湖に比べ大きい。このことは東京湾の通航船舶の航路通報に大きな誤差が含まれており、通報による通航予定時間の精度はこの程度の誤差を持つ情報であることを意味している。

・東京湾は、最終通報時における入航指示(予定)時間と実入航時間のズレの標準偏差が、北航、南航共に大きい(10分超)が、3時間前(南航の場合、出港直後)の確認通報により現場調整の形で入航時間の調整を図っていると思われる。

・東京湾では、こうした情報の誤差をセンターが収集する他の情報等でカバーし、運用面において、入航時間の誤差を臨機応変に対処して、通航の安全を図っているといえる。

・伊良湖では、予定時間のズレを吸収する有効な手段が無いため、船舶操船者が予定時間きっかりに通航するよう努力している様子が伺える。

・伊良湖水道に海上交通センターが設置されれば、現場における通航船舶の動静等の的確な把握、航路入航予定時間の変更に対する迅速かつ的確な対応ができ、現状よりも、 弾力的な航行管制等の運営が可能となると思われる。

 

 

 

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