日本財団 図書館


5. 軟体動物

 

秋田県沿岸域に生息する代表的な軟体動物には、スルメイカ、ヤリイカ、アワビ、サザエなどがいる。

 

スルメイカ : スルメイカは日本海全域に群れをなして移動しており、漁獲される時期は各地によってそれぞれ異なっている。秋田の沖合を通り、多く漁獲されるのはおよそ6〜7月と10〜翌年1月の2回である。成長は早く、1年で一生を終わる。産卵期は群れによって異なり、夏、秋、冬の三つに分かれる。体の色は海で泳いでいるときは透き通って青みがかった白であるが、釣り上げられると茶褐色、死んでしまうと白色、さらに桃色に変化していく。

 

ヤリイカ : ヤリイカは北海道から長崎県まで分布しているが、特に秋田を含む北部日本海で多く漁獲される。寿命はヤリイカもスルメイカと同じように1年と言われているがはっきりとしていない。産卵期は3〜5月頃で、沿岸に岩や海藻類に長さ15?、太さ1?位の房状の卵塊を生み付ける。この卵塊が生み付けられてから30日くらい過ぎると3〜4?程の子供が生まれてくる。

 

エゾアワビ : 日本に生息するアワビの仲間には10種類あり、クロアワビ、エゾアワビ、マダカアワビ、メガイアワビ、トコブシ、フクトコブシの6種類が漁獲対象となっている。秋田では主にクロアワビ、エゾアワビを漁獲している。アワビは夜行性なので昼間は岩の陰や隙間に隠れており、夜になると這い出てきて、海藻を食べたり、居場所を変えるために移動する。

 

サザエ : サザエの形はにぎりこぶしのようで、独特の管状の角を出し、殻は硬く、右巻きである。この角は波の荒い所では大きく、静かな所では小さかったり全くないものもある。産卵期は6〜9月で、1個の親が直径0.2?前後の卵を30〜80万粒産む。成長は1年で1?、2年で2.5?、3年で4?前後になり、4年目頃から漁獲される。サザエはアワビと同様に夜行性で、食べるものも海藻類が主体である。

 

【専門家連絡先】

秋田県水産振興センター 0185-27-3003

 

【資料】

「秋田県の水産業」 秋田県水産振興センター 平成11年

「秋田の魚」 秋田県水産振興センター 平成11年

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION