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4. 魚類

 

秋田県沿岸域には21の漁港が点在し、ハタハタを初め多数種の魚介類が水揚げされている。

 

ハタハタ : 秋田県を代表する魚として有名であり、普段は水深250〜300mの海底に住んでおり、11〜12月頃産卵のために沿岸の海藻のある浅瀬に移動し、海藻にゴルフボール大の卵塊(ブリコ)を産み付ける。また近年は漁獲量が激減したため平成4年から3年間全面禁漁した結果、順調に資源が回復している。

 

マダイ : 体は鮮紅色で青い小斑点が散在し、尾鰭の後縁が黒いのが特徴である。姿、色、味ともにすぐれ、古くから日本人に親しまれ珍重されている。水深30m〜200mの岩礁や砂礫の底層を好む。3〜4年で成魚になり、産卵期は5〜6月で、1尾の親が1mm前後の卵を40〜50万粒程産卵する。産卵期の体色はピンク色で美しくサクラダイと呼ばれていることもある。

 

アマダイ : 体長35?、体色は赤みが強く、目の後下方の逆三角形の銀白色斑があり、尾鰭の黄色帯下に黄色の斑点がないことが特徴。水深20〜160mの砂泥底に穴を掘って生息する。産卵期は6〜10月、ゴカイ類、イカ類、クモヒトデ類等を捕食する。漕ぎ刺し網などで漁獲される。

 

メダイ : 北海道以南の日本各地に分布する。体長40〜80?、体は長円形で側扁する。吻が丸みを帯びており、目が大きい。体色は赤みを帯びた茶褐色、稚・幼魚は流れ藻につくが、この期間の個体の体側には多くの虫食い斑がある。成長するとともに水深100〜500mの低層に移動する。沿岸から沖合の岩礁域の中層に住み、大型の動物プランクトンを食べる。産卵期は12月〜翌年2月。

 

ヒラメ : 体は側扁した長楕円形でカレイ類よりは細長く、左側に眼がよっている。卵から孵化した子供は初め他の魚類と同じ体形であるが、成長するにしたがい左に眼が移動し、約1.5cm位で成魚と同じ形に変化する。秋田でのヒラメの成長は、1年で24?、2年で35?、3年で45?となり、寿命は40年位と言われている。親になるまで3年かかり、産卵期は5〜6月で、1尾の親が直径1?前後の卵を40〜50万粒程産卵する。

 

クロソイ : この魚は味が良いこと、丈夫で取り扱いやすいことなどから、養殖用の魚として種苗生産が行われている。秋田での成長は、1年で15?、2年で24?、3年で32?となり、寿命は10年位である。この魚の特徴は、卵胎生と言って親から卵で産まれてくるのではなく、成魚と同じ形で産まれてくる。また体長5cm位までは海面に漂っている流れ藻に付いて暮らし、この大きさ以上になると海底の岩場に移動する。

 

 

 

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