日本財団 図書館


3. 野鳥

 

秋田県では約300種の鳥類が知られ、日本の鳥の約60パーセントの種類が生息する。この300種のなかには台風などの悪天候によって正しいコースからはずれた迷鳥も含まれているから、それらの種類を除くと秋田県内で普通に見られる鳥は約240種である。このうちの79パーセントが渡り鳥であるから、秋田県は季節によって観察が変化に富んでいる特徴をもっている。

 

(1)野鳥の出現場所

 

八森・岩館海岸 : 八森岩館海岸は北西方向におよそ16キロに亘って伸びている。泊川以北は岩礁地帯となっており、訪れる人も多い。夏期の鳥の代表はイソヒヨドリである。その他はシギやチドリが渡って行くくらいで、鳥の姿は非常に少ない。海岸の鳥といえばそれは冬鳥たちである。雄島の周辺には数千羽のマガモ等が集まることがある。

 

能代市砂防林 : 風の松原は、南北10キロ以上にクロマツ林が続き、これまで(平成3年)記録された鳥は59種で、ほとんどが森林性の鳥である。初夏は、キビタキ、オオルリ、クロツグミ、シジュウカラなどの小鳥がさえずる。この砂防林で固体数が多いのはシジュウカラである。

 

男鹿半島 : 男鹿半島は日本海に突出しているため、冬も暖かく、南方系のコシアカツバメやクロサギの繁殖が県内で最初にされた所である。海岸線は、北浦から入道崎までの北磯海岸、入道崎から門前までの断崖絶壁の続く西海岸、門前から船川までの南磯海岸と変化がある。とくに南磯海岸はコクガンの越冬地として知られている。

 

旧雄物川河口 : 旧雄物川河口は、鳥獣保護区と銃猟禁止区域となっているが、冬期、種類は必ずしも多いとはいえないものの、カモの大群が集結する。春季からは、その環境も変化に富んでいるため、山の鳥、草原の鳥と種類は多彩である。特に、市街地の中心に近いのに、250ほどの巣のあるアオサギとゴイサギのコロニーがあるのが大きな特徴である。

 

雄物川河口 : 河口には、晩秋から冬にかけてカモ類が集結する。ホオジロガモ、カワアイサなど種類も多い。ハクチョウの餌付けも行われるようになった。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION