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2. 作用・効果

ミキサーパイプには、以下の優れた作用と効果がある。

○化学薬品や電気反応のように化学物質を生成しないため、二次汚染と船体への影響の心配がない。

○構造が単純で必要な動力も少ないため、装備スペースが比較的小さい。

○目詰まりの心配が無い。

○低コスト(イニシャル、ランニング両面)

海洋生物殺滅効果は、以下の作用によるものと推測している。

○旋回によって発生する乱流による破損

○突起への衝突あるいは突起後背に発生する乱流による破損

 

3. 陸上実験

3.1 実験方法

実験は、陸上に実験装置を設置し、港湾の自然海水を用いて行った。

海洋生物殺滅効果は、ミキサーパイプを1回通過することによる海水内の生物状態の変化を基本に評価した。また、実験は、バラスト水の漲水・排水行程を考慮して、自然海水(原水)の処理直後(漲水時処理)、2週間貯蔵(暗黒条件下、以下同じ)した原水の処理直後(排水時処理)、1度処理した海水を2週間貯蔵した後に再処理直後(漲水時・排水時の2度処理)それぞれのケースで実施した。生物状態の観測項目は、植物プランクトン細胞の状態、動物プランクトン個体の状態、有害プランクトンAlexandrium属シストの状態、一般従属栄養細菌数である。1回当たりの海水処理条件は、次の通りである。

○ミキサーパイプ連結数;3

○パイプ入り口圧;4.8〜5kg/cm2

○海水流量;340L/分

○注入気体;自然空気

○気体注入量;海水流量の25.5%(75.5L/分)=海水流量の7.5%/ミキサーパイプ1段×3連結

3.2 実験結果および考察

図2には、植物プランクトンの実験結果、図3には、動物プランクトンの実験結果を示す。なお、植物プランクトンでは有害プランクトンが属する有殻渦鞭毛藻類、動物プランクトンでは主要な生物群で付着汚損生物のフジツボ類の幼生が含まれる甲殻類の結果を抽出し、それぞれ併記した。

 

 

 

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