当該丸ハゼは、まず1995年にスぺリオル湖のDuluth/Suprior港に出現した。丸ハゼは、攻撃的魚類でかつ貪欲な大食漢である。岩の多い又は砂利の生息地の中で精力的に産卵場所を守るので、他の少数の攻撃的魚類が産卵場所を準備するための接近を制限することになる。また、丸ハゼは、水の動きを感知する能力を高めるよく発達した知覚システムも持っている。このことは、丸ハゼに、完全な暗闇においても食べることを可能とし、かつ、同じ生息地の他の魚類をしのぐもう一つの利点を与えている。
さらに、丸ハゼは急激な個体数増殖能力をも持っている。夏季月間に繰り返して産卵し、メスの産卵個数は、5,000個にまで及ぶ。オスは、産卵後に死ぬ。
しかしながら、丸ハゼの侵入は、zebra musselとの戦闘努力にいくらかの慰めとなることを示してもいる。─研究により、丸ハゼが、五大湖内のzebra musselを食べることが明らかになっている。
ユーラシア土着の、小型ながら攻撃的なRuffe(ヨーロッパ産のパーチ科の淡水小魚)Gymnocephalus cernuusが、1980年代に、バラスト水経由で五大湖に侵入した。Ruffeが非常に速く成長すること、高い繁殖能力を持っていること、かつ、環境の広範囲な多様性に順応することを理由として、商業及びスポーツフィッシングに対し、容易ならない脅威となるものと考えられている。また、それは、健全な漁業の持続に絶対的に必要なデリケートな捕食動物/獲物のバランスを、ひどく破壊する可能性を秘めている。ミシガン、ウィスコンシン、ミネソタ及びオンタリオの各州法においては、ruffeの所有は違法である。
1993年5月、五大湖及びハドソン河のGeorge Washington Bridgeの北側に入域する予定の船舶に対し、EEZの外側かつ水深2,000米を超える海洋でのバラスト水交換の実施を強制化するという、1990年に採択された規則が発効した。代替肢として、船舶は、五大湖の全航海を通じ、バラスト水を船内に保持しておくこと、; あるいは、USCGが承認している、環境的に健全なバラスト水管理代替方策を用いること。
1996年、1996年National Invasive Species Act(1996年国家侵略種法)が通過した。当該法は、1990年連邦非土着種米邦法令を再認可かつ拡充するための米国法案である。当該法令の基本的要素は、米国水域における、非土着種の侵入及びさらなる拡散を防止するためのバラスト水管理を提供することにある。
さらなる情報:
Stemming the Tide - Controlling Introductions of Nonindigenous Species by ship's Ballast Water Committee on Ship's Ballast Operation, National Research Council, National Academy Press, Washington D.C. 1996 ISBN 0-309-05537-7
Web sites:
National Invasive Species Act of 1996:http://www.nemw.org/nisa.htm