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3. ミキサーパイプとオゾンの組み合わせ(処理水量増加法)の検討

 

ミキサーパイプは、本来、気液混合装置である。その海洋生物殺滅効果は、前述した通り単独でも一定のレベルにある。ただし、細菌類やシストに対しては、十分とはいえない。そこで本実験は、平成9年度に代替策として実験対象とし、生物殺滅効果を確認したオゾンを気体として採用し、ミキサーパイプと組み合わせた時のプランクトン、一般従属栄養細菌、大腸菌群数、Alexandrium属シストに対する殺滅効果、および溶解、分解性を実験した。さらに、この方法の処理可能水量について検討した。

3.1 オゾンの溶解実験

オゾンの注入過程にミキサーパイプを装着することによって、オゾンの溶解(オキシダントの生成注))能の向上が期待される。その向上は、生物殺滅効果を効率的に得ることになり、さらには、処理可能水量を増加させることにもつながる。そこで、以下の実験を行ってミキサーパイプを組み合わせた時のオゾン溶解実験を実施した。

注)海水に注入したオゾンは、臭素イオンを主体とする陰イオンと反応して次亜臭素酸や臭素酸等のオキシダントを生成する。オキシダントそのものもオゾンと同様の毒性があり、オゾンからオキシダントへの変化速度は、5.3秒で約50%、30秒後には100%とされている。したがって、オゾンの溶解性や分解性、また、海洋生物殺滅効果に関してはオキシダント濃度で評価するのが適切である。

(1) 実験方法

実験は、平成11年8月と12月に、ミキサーパイプ単独の実験と平行して佐賀県伊万里市の臨海施設で行った。

1] 実験装置等

実験装置は、内径40mm弱のミキサーパイプ1段を用いて、空気注入口から発生させたオゾンを注入する方式である。図II.3.2-1には、装置フローを示した。

なお、実験に使用したオゾン発生器の仕様は、次頁の通りである。

 

 

 

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