処理した海水の2週間後の植物プランクトンは、未処理の場合よりも若干損傷率が高くなっており、この点では漲水時に処理することが有効に働いている。排水時に処理するケースでも同様の結果であり、植物プランクトンに対しては漲水時、排水時どちらの処理でも同様の結果が得られる。漲水時と排水時の2回処理した場合では、全ケースの中で唯一100%の損傷率が得られており、2回の処理は植物プランクトンに対して完全なダメージを与えている。
動物プランクトンでも植物プランクトンと同様な傾向が見られる。ただし、植物プランクトンや他の有機物を捕食して生息する動物プランクトンは、暗黒下でも十分な酸素と餌があれば生存可能であるため、2週間の原水貯蔵だけでは植物プランクトンのように死滅することは無い。このような特性を持つ動物プランクトンに対しても、ミキサーパイプによる処理が有効に機能しているのが、空気注入率22.5%(7.5%/1段×3)の3連結実験における、排水時処理を想定した原水2週間貯蔵後処理と、漲水時および排水時の2回の処理を想定した処理海水2週間貯蔵再処理である。両ケースの損傷率はいずれも100%を記録している。
以上の実験結果から、プランクトンに対しては、1回の処理では空気注入率22.5%(7.5%/1段×3)の3連結のミキサーパイプによる排水時の処理が有効であり、漲水時と排水時に2回処理するとほぼ完全なダメージを与えることができると考えられる。