日本財団 図書館


3 廃棄物処理用の船内設備

廃棄物の処理方法は、費用、人の問題、発生量、船舶の構造及び航海パターンによって大幅に違ってきます。舶用廃棄物処理に利用できる機器としては、焼却装置、粉砕装置、その他関連装置などがあります。

(1) 粉砕

日常系廃棄物のうち、粉砕した食物くず、紙くず、金属くず等は、3海里以遠の海域で排出が認められています。粉砕装置は、省令に定める技術基準に適合する装置でなければなりません。

1] 粉砕時の選択

排出禁止海域を航行している場合、粉砕装置からの食物くずを含むスラリー状のものは、貯蔵タンクに入れるようにします。

(2) 各種廃棄物の焼却

現在の舶用焼却装置は、主として、断続的運転かつ廃棄物の手動投入用に設計され、大気汚染対策まで考慮されていないものが多いようです。従って大気汚染規制を定めた港あるいは海域があることに十分注意しなければなりません。また、規制の有無にかかわらず、できるだけ海岸から離れて焼却するなどの配慮が必要です。

1] 廃棄物の焼却方法

プラスチック類の焼却には、多くの空気と高い温度が必要です。不完全燃焼のときは、下記のような問題が生じます。

イ. 排気中に気化した塩酸と青酸等を含んだ有毒ガス又は危険な中間生成物を生じることがある。

ロ. ある種のプラスチック(たとえば、PVCをべースにしたプラスチック)の燃焼から出る灰は、重金属又は有毒な残留物を含んでいることがある。

ハ. 一般にプラスチック類の燃焼中に発生する温度は、相当高くなる。

ニ. プラスチック類の焼却には、平均的な都市ごみより3〜10倍の燃焼用空気が必要である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION