この方式の洗浄には、オープン・サイクル・システムとクローズド・サイクル・システムの二つの方法があって、別図のような手順となっています。
この方式を行うにあたりもっとも重要なことは、バラスト水の排出にせよ、タンク洗浄水の水切りにせよ、水切りの限界を合理的に行い、油分を含んだ水が船外に排出されるのをできる限りおさえることです。
2] 内航タンカー
貨物艙からの廃油は、すべて陸上の廃油処理施設に引渡します。一般に、原油その他のダーティバラストは、積地にある廃油処理施設に引渡します。(221頁参照)
クローズド・サイクル・システムでは、タンク洗浄後の汚水をスロップタンクに集め、油水分離を行い、スロップタンク底部の分離水は、再び洗浄水として使用します。このように外部から遮断した状態でタンククリーニングを行うことから、この呼び名があります。
この方法には
(1)オープン・サイクル・システムでタンククリーニングを開始し、スロップタンク内の汚水が、一定の水位に達した時点でクローズド・サイクル・システムに切り換える方法
(2)あらかじめスロップタンクにきれいな海水を漲水しておき、これを循環させてタンク洗浄を行う方法
とがあります。スロップタンクを2個設けて、油水分離効果を高めている例もあります。
複式スロップタンク
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