(2) 油による海洋の汚染の防止のための設備等(法5)
海洋環境を保全する見地から、油の排出基準を機械的に担保することができる設備の設置が義務づけられている。すべてのタンカー及び総トン数100トン以上のタンカー以外の船舶(以下「ノンタンカー」という。)の船舶所有者(船舶が共有されているときは船舶管理人、貸し渡されているときは船舶借入人をいう。以下同じ。)は、以下に定める設備等を設置しなければならない。
1] ビルジ等排出防止設備(法5-1]、技術基準4)
船内にある油が船底に流入することを防止するか、又はビルジ等を船内で貯蔵若しくは処理するための設備であって、船舶の区分、大きさ等に応じて次のものから構成される。
イ. 油水分離装置 (技術基準5)
排水中の油分濃度15ppm以下とする性能を有するもの(すべてのタンカー及び総トン数100トン以上のノンタンカー)
ロ. ビルジ用濃度監視装置 (技術基準7)
油分濃度が15ppmを超えたとき可視可聴の警報を発し、排水の排出を自動的に停止することができる装置を備えているもの(総トン数1万トン以上の船舶。)
ハ. スラッジ貯蔵装置(技術基準6)
機関の種類、航海の長さ等に応じた十分な容量のスラッジタンク、陸上への排出管及び標準排出連結具を備えるもの(総トン数400トン以上の船舶)
なお「スラッジタンク」とは、IMO(MEPC/Cire.235)において、次のように規定されており、船舶の機関の型式及び航海の期間を考慮して、それぞれ機関区域内に容量の基準を満足する1個又は複数個のタンクを設置しなければならない。