船舶の転覆は、そのほとんどがアッという間の出来事で乗組員が船内に閉じ込められることがあります。特に荒天による転覆は脱出が困難であり、また救命筏に乗る間もなく海に投げ出され生存も叶わない最悪の状況となります。

転覆海難は漁船やプレジャーボート等によるものがほとんどですが、内航船によるものも少いながら下記のように発生しており、船体の沈没のみにとどまらず乗組員の死亡・行方不明者を出しています。
貨物船、タンカーといえども決して油断してはいけません。
1 最近の転覆海難事例
1] 貨物フェリー(99総トン)
平成10年1月、串木野漁港出港後波浪による動揺により大型トラック積載の建築資材が荷崩れを起こして傾斜し、そのため積載車両4台が移動(係止せず)、浸水も加わってついに転覆、沈没した。乗組員1名死亡、2名行方不明。