沖合の航行ではレーダーやGPSプロッタなどで船位の確認を行っていても、狭水道通過や港への出入り時は目視、目測中心の操船になっていませんか。
1 自分で作る「安全運航図」の必要性
狭水道などは、安全に航行できるエリアが限られています。
こうした海域を通航する際に、特に考えておかなければならないことは、海上ではマイペースは叶わないということです。例えば、
○ 狭水道内で多数の漁船が操業中で、それを避航するために予定していたコースを航行できない場合
○ 行会い船との関係で、相手の不審な動作によっては大きな避航動作をとらざるを得ない場合
○ 予想外の大きな海潮流に流され、岸や浅所、定置網などに急に近づく場合
など、岸に近づいても乗揚げたりしないように「新たな判断」、それも「速断」を必要とすることが多々あります。
また最近は、高速船が多数就航していますが、これらの船舶が狭水道を通過する場合などは、高速故に「一々細かく位置を測定することが困難」という声も聞かれます。
いつも通る狭水道などでは、とかく経験、自信を裏付けとした目測、勘により操船をしがちですが、いかに慣れた航路、自信がある場所でも、いわゆる「ツボ」を押さえた操船が必要です。