日本財団 図書館


第1章 研究概要

 

1.1 研究目的

 

海洋空間利用に関しては沿岸域は既に高度に利用されており、今後はさらに沖合海域を利用することが必要な情勢にある。沖合いの大水深、軟弱地盤域などの施工条件の厳しい海域では、浮体工法が埋立工法を補う工法として有効であるとして、平成7年度から3ヶ年の研究開発で浮体設計技術、洋上施工技術、長期耐用技術、上載施設機能保証技術、環境評価技術を確立した。しかし、メガフロートの用途で規模及び技術面から最も重要な海上空港の実現のためには空港機能を主体とした安全性、信頼性を確保するための技術を確立する必要がある。そのためには着陸用計器の機能確認と航空機の離着陸実証実験が不可欠である。

本研究は、メガフロートが空港利用可能であることを実証的に研究開発し、他用途にも成果を活用することにより、海洋空間利用における立地、工法の選択の幅を拡げ、運輸関連施設、生活関連施設等の社会資本の円滑な整備に資することを目的としている。

平成7年度から平成9年度迄に行った超大型浮体式海洋構造物の研究成果を活用して、平成10年度から3年計画でメガフロート空港の最適設計・建設技術の研究を進めるとともに、着陸用計器の機能を保証するためのシミュレーションプログラムを研究開発し、航行支援システムの研究及び環境影響調査を進める。一方、長さ1000m幅60m〜121m、深さ3mの浮体空港モデルを建設し、この浮体空港モデルを利用して実海域における空港機能保証技術、航空機による離着陸総合実験等の各種の実証的研究を行う。

 

総合目標:

「メガフロートが空港機能を有することを実規模浮体空港モデルにより実証し、空港建設技術の確立を図る」

 

開発目標:

1] メガフロート空港の浮体設計・係留・建設技術の確立

2] 空港機能シミュレーション技術の確立

3] メガフロート空港の航行支援システム技術の確立

4] メガフロートの環境影響評価技術の高度化

 

実証目標:

1] 1,000m空港モデルの建設による実規模建設技術の実証

2] ILS/GS、LLZ及びPAPIの航行支援設備の機能実証

3] 航空機の離着陸実験による空港機能の実証

 

研究期間は、平成10年度から平成12年度までの3ヶ年計画である。

その2年度として以下の内容を研究する。

 

 

 

目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION