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(3) 供試体6

本油回収装置は、ブラシコンベアーを取り付けた架台を船側に設置し、ブラシコンベアーに対する対水速力が1〜2ノット程度で、かつ、その時の速力と油の粘度を考慮し、ブラシコンベアーの回転を調節し、油をブラシコンベアーに付着させて回収する方式で、対水速力が重要な要素となる。このため、今回の試験では水流を集油装置で発生させるとともにブラシコンベアー架台の背面に2機のスクリュープロペラを設置し、流速を調整した。

試験油1を用いた作動試験において、試験油がブラシコンベアーに付着せずブラシコンベアーの背面に透過したため、試験油1の試験は中止とした。

試験油2-平水中の試験で、集油装置のみを作動させ水流をブラシコンベアーに与えたところ、ブラシコンベアーの回転により新たに乱れた水流が発生し、その影響を受けブラシコンベアーの前面に集油装置の水流とは逆方向の流れが生じ、ブラシコンベアーへの試験油の付着を妨げる現象が認められた。その模式図を図I-18に、状況を写真I-8に示す。このため、以後の試験は集油装置の水流を常時与え、試験油のブラシコンベアーの付着状況を観察しながらスクリュープロペラの回転を調節することにより流速を加減した。

 

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