(試験油がエンドレスモップから滴下した油水を浴びているが、水流及び波浪の影響により集油されている状況が観察された。)
2) 粘度変化による油回収性能(図I-9〜図I-11)
1] 本試験の粘度範囲(100〜16,000cSt)では、油はモップに確実に付着し、絞り取り用のローラーで絞り出され、外付けのポンプで移送(回収)することができた。
2] 粘度変化による時間当たり回収油水量は、粘度が高くなるにつれて減ずるが、時間当たりの油回収能力は、粘度及び水面の状況の変化にかかわらず大きな差は認められなかった。しかし、油回収効率は本試験の粘度範囲では、粘度が高くなるにつれて上昇しており、付着式の特徴が如実に現れる結果となった。
3) 回収油水の状況
本油回収装置は付着式であるため、堰式のように大量の油水を回収するということはなく、また、油回収効率(油水比)も粘度が高くなるにつれて上昇する。
回収された試験油は、ローター型ポンプにより混濁され気泡及び水泡を生じた。
4) その他の状況
1] 回収準備等
本油回収装置の運転準備には、本体及びパワーパックともクレーン等重機を必要とするが、油水は大量に回収することなく、かつ、油回収効率が高いため大容量の回収容器を必要としない。
2] 輸送・保管状況
本油回収装置は、人力で持ち上げたりすることは不可能であるが、比較的小型なため中型トラックでの輸送が可能であり、かつ、装置一式がコンテナーに格納されており保管が容易である。