a カーテン型オイルフェンスの要約
・ 発砲材の浮体と曳航点とを喫水線近くに持つカーテン型オイルフェンスの漏油速度は低い。
・ 力ーテン型オイルフェンスの展張と清掃は容易で、ごみ類による破損も少なく、横揺れ/上下動に対する特性もよい。
・ 格納に際して大きいスペースを必要とし、係留して使用すれば、最も有効であろう。
・ 重錘及び引張り用のチェーンを組み合わせた空気浮力のオイルフェンスは、中程度の漏油速度と優れた横揺れ/上下動特性を持っている。
・ カーテン型オイルフェンスの展張と清掃は容易であるが、一部の軽量オイルフェンスはごみなどによる損傷を受け易い。
・ 格納に際しては大きなスペースを必要とせず、係留して使用すれば有効である。
・ 自己膨張式オイルフェンスの展張は急速に行えることができる利点を持っているが、清掃がし難く、空気弁が破損したり、故障したりする傾向があるが、係留使用の場合は効果的である。
・ どの方式のカーテン型オイルフェンスでも、スカート部を高い波浪の中で垂直に維持するためには、重錘又は底部の引張り部材を必要とする。しかし、重錘を増すことは、オイルフェンスの自重を増やす結果となり、さらに浮力も必要となる。
・ カーテン型オイルフェンスは特性として高い上下動特性を持っているが、それは一般に柔軟な浮力部材は水面によく順応するからである。
・ 横揺れ特性は、一般にはその浮力が中心を外れた位置にはないので多少減少するかも知れない。この問題は、横揺れすることが必ずしもスカートの姿勢を垂直からずらすとは限らないし、その上、スカートは独立して底部の引張り部材で制御できるから、少なくとも部分的ではあるがある程度カバーできる。
3) 海岸線バリアー
海岸線バリアーは潮汐流を利用して流出油を封鎖するバリアーで、浮体部は空気又は発泡材を用い、バラストに水を使用する。満潮では海面に浮び、干潮では海底に密着する。着底すれば重い「水バラスト」が海底に固定されて、流出油が潮流間帯域に沿って移動することを防止する。海岸線バリアーの模式図を図1-3-13に示す。