医師・医学生の研修事業の概要
山村・離島等では慢性的な医師不足が続いている現状にあります。そこで、医師及び医学生に地域医療、特にへき地医療の実情に直接に接する機会を提供し、又はへき地等に勤務を希望して、関心を持つ医師・医学生の意識をより深めるための研修事業である。
平成11年度
小規模病院・診療所勤務医師定着対策
医師・医学生の農山村・離島等における研修事業の報告書
へき地医療の現状は、山村・離島等では慢性的な医師不足が続いている。その要因となっているのは、医師の研修が十分でないこと及びへき地医療についての情報不足等により、へき地医療に生きがいが持ちにくいこと、気候や交通の便の条件等により、医師の確保・定着化が非常に困難なことである。
そこで、医師及び医学生に地域医療、特にへき地医療の実情に直接に接する機会を提供し、又はへき地等に勤務を希望している医師及びへき地医療に関心を持つ医学生の意識をより深めることにより、へき地及び医師不足の医療機関に一人でも多くの医師が確保できるよう、この研修事業を行うこととなった。
「自治体病院・診療所勤務医師の定着を図るためこの制度を利用してみませんか」という内容の手引きを送付して研修生を募った。
その内容は、病院及び診療所に1週間を限度とし、研修あるいは体験実習を受ける場合、旅費が支給されるというものである。全国から23名の応募があり、その結果、20名が研修を受けられた。研修された方の内訳は、医師3名・医学生17名(大学院生も含む)、研修先の都道府県別では、北海道2名・東京都1名・石川県1名・島根県1名・広島県1名・長崎県2名・宮崎県1名・鹿児島県2名・沖縄県9名であった。
この研修事業は今回初めての企画であり、応募者の希望地域を最優先とした。研修を受けられた方は忘れられない体験になったといわれており、また、受け入れ先の先生の中には、実習を行う傍らで新鮮な気持ちになり医学生の頃を思い出した、こちらも勉強になったという意見もよせられた。研修を受けた人、研修を受け入れられた先生共にとても充実した研修だったことが伺える。この研修事業での、個々の体験実習は、5年先・10年先のへき地の医師確保・医師定着化につながることはまちがいないと期待している。
厚生省そして、その他研修生を受け入れていただいた諸先生方に感謝し、厚くお礼申し上げます。
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