6 図上訓練への活用
(1) 訓練用機能ー再現シミュレーション機能が基本ー
1] 単純再現、重ね合わせ再現
2] 再現スピード可変
3] 各種・各地域の雨量データが使用可能
4] プロジェクターを用いれば効果的
(2) 豪雨時に生じる問題とその理由
1] 問題1:意思決定が遅れる⇒体制確立や避難の勧告・指示が遅れる
理由:現在の危険度を「迅速」、「客観的」に把握できない
2] 問題2:住民への伝達が遅れる
理由:
ア 1] で述べた意思決定の遅れ
イ 住民への効果的な伝達手段が整備されていない
3] 問題3:住民が避難しない
理由:
ア 住民が危険性を理解できない
イ 避難するのに大きな負担
(3) システム習熟訓練/危機管理テーブル検証訓練
本システムは(2)の1] の問題を解決するために開発されたものであり、本システムを導入している限りは、大きな問題が生じることは考えられない。
ただし、「システムヘの習熟」や「危機管理テーブルの検証」は必要である。これらの訓練を通じて土砂災害に対する防災能力の大幅な向上が期待できる。
[訓練の流れ]
1] データ・条件設定
過去の豪雨時の雨量データ(当該地域、他地域)を入力する。
2] 訓練
ア 再現シミュレーションをスタートする。
イ 訓練参加者は、危機管理テーブルや指標雨量の推移を見ながらそれぞれの役割に応じた意思決定や活動を実際に即しつつ模擬的に行う(ロールプレイング)。この場合、以下の点に留意する。
a 職員の勤務状況は、再現時の条件(曜日、時刻)に対応させる
b 「管内の活動環境(道路の通行状況、電話の通話状況、商用電源の状況)」を予測する
c 「職員間の情報連絡手段や住民に対する広報手段の能力」を考慮する
d 「住民の行動や置かれた状態(起床、就寝、不在等)」を予測・考慮する
ウ 行った意思決定や活動の開始、終了時刻をメモしておく。