“現場ではどうしたらいいか分からず困ってしまいました”
99年の秋、各地で見られた防火ポスター「あぶないよ ひとりぼっちにしたその火」で、ニッコリ笑って火の用心を呼びかけているのが女優の梅宮万紗子さん。
梅宮さんは「青い鳥症候群」(テレビ朝日)で、臓器移植システムの事務局員田代五月を演じた。脳死臓器移植の最前線を舞台に、人間と人間の葛藤を描くミステリーロマンだった。
五月は、情報処理能力があり、頼れる存在だった。「ドラマ全体は復しゅうの積み重ねで、シリアスな内容でした。でも、私の職場だけはとても明るかった。コミカルな演技が要求されました」
その五月の上司を演じていたのが梅宮辰夫さん。万紗子さんの実の叔父である。ということで、あの梅宮アンナさんの従姉である。
「叔父さんとの共演が決まった時、よろしくお願いしますと電話しました。現場ではどうしたらいいか分からず困ってしまいました」。叔父さんの方は、「ぼくがデビューのころ、こんないい役はもらえなかった。万紗子はよく頑張った。安心して見ていられるようになりました」と目を細めている。
平成九年、「研修医なな子」(テレビ朝日)でデビュー。看護婦役だった。女優の仕事に憧れていた。デビューが決まった時、真先きに報告したのが叔父さん。「途中で逃げ出さずに頑張りなさい」と言われたそうだ。その言葉を守り、「ドンウォーリー」「殴る女」(フジテレビ)、「ニュースキャスター霞涼子」(テレビ朝日)と出演した。
実家は鎌倉でレストランを経営している。恵まれた環境に育ったため、落ち着いた感じ。そんな一方でスノーボードが得意という活発な面も持っている。「今は積極的にいろいろなことを吸収して、“女優”を目指します」とキッパリ。
力強い叔父さんがバックに控えている。楽しい仲間もたくさんいる。ひとりぼっちではない。あぶなげない芸能生活を送っている。
(インタビュー・編集部)