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消防最前線

 

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火災

発泡スチロール容器製造工場火災

旭川市消防本部(北海道)

 

旭川市は、北海道のほぼ中心に位置し、人口三六万人を擁する北海道第二の都市として成長し、北北海道の政治・経済、特に商業、流通の中心都市であり、そして交通の要衝として発展しています。

また、地勢は大雪山連峰を水源とする石狩川、忠別川、美瑛川、牛朱別川の四つの河川がまちの中心部で合流し、中小の河川とともに大きな都市空間をつくっており、市街地や周辺の農地に残る緑地とともに、まちの周囲には大雪山連峰から連なる緑豊かな丘陵、森林が広がっています。

気候は、典型的な内陸性気候で夏は最高気温が三四℃、冬は最低気温が氷点下二五℃となり、その寒暖差が大きいのが特徴ですが、年平均風速が一・七メートルと穏やかで、年間一、〇九一ミリの比較的少ない降水量と相まって風水害など自然災害の少ないのも、その特徴の一つです。

当市消防本部は、この自然豊かな都市全域(面積七四七・六〇平方キロ)をその管轄とし、消防体制は一本部・二署・九出張所・三分遣所、職員三六六名で消防の任に当たっています。

また、年間(平成一〇年)の災害出動件数は、火災出動件数五四八件(うち火災件数は一二四件)、救助出動件数一五三件、救急出動件数が九、一九七件で、特に、昨冬は旭川市内の累積降雪量が九メートル三七センチに達し観測史上二番目の大雪を記録、この影響で落雪及び建物倒壊による出動要請が頻発し、これに伴う救急出動件数が四八件、救助出動件数については二一件に及びました。この様に寒冷地特有の災害が多いのも当市消防本部の特徴といえます。

ここで紹介する事例は、発泡ポリスチレンビーズを主原料とした発泡スチロール容器製造工場から出火、準耐火造五階建の同工場と機械設備及び出荷待ちの製品を全焼した火災事例です。

 

一 火災概況

(一) 火災発生日時

平成一一年六月一三日(土)

一時四三分頃

(二) 覚知時分及び覚知別

六月一三日一時五三分

一一九番通報(携帯電話)

(三) 通報内容

「工場の窓から猛烈な勢いで黒い煙が噴き出している。」との通行人からの通報

(四) 発生場所

旭川市永山四条一〇丁目

株式会社I化学工業

(五) 出火建物構造

準耐火造五階建 ・五、一二二m2

(六) 出動態勢

一時五三分・建物火災第一出動

二時〇一分・同第二出動

二時一一分・同第三出動及び第三指揮体制

出動隊数  一八隊

出動人員  七二名

(七) 鎮圧及び鎮火

鎮圧・同日  四時四九分

鎮火・同日 一四時二二分

(八) 火災原因等

出火原因・調査継続中

焼損面積・五、一二二m2(全焼)

損害額・ 五九〇、〇〇〇千円

 

 

 

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