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消防最前線

 

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火 災

野積み廃タイヤ火災

佐野地区広域消防組合消防本部(栃木)

 

はじめに

当消防本部は、栃木県の南西部に位置し、首都東京から北北西に約七〇?q地点にあり、群馬県と境を接する県南地域の佐野市、田沼町、葛生町、岩舟町の一市三町で構成され昭和四八年に発足した。

管内面積四〇二・八一?q2、人口一四八、九五五人、消防体制は一本部・一署・二分署で職員数一二五人である。

管内は、南部に国道五〇号、北部には国道二九三号が通過し、佐野市東部に東北縦貫自動車道のインターチェンジが設置されている。

また、すでに工事の一部も着工されている北関東自動車道の通過とインターチェンジの設置も計画され、北関東の物流拠点としての発展に期待を寄せている。

また、地勢は北に二〇〇〜八〇〇m級の山を抱え、これから南に関東平野が広がりはじめている。

気温は内陸性特有の寒暖の差が大きく、夏は太平洋からの南南東の風が吹き、雷雨が激しく、反対に冬は大陸方面から北西の風、いわゆる「からっ風」が強く吹き、快晴の日が続く土地柄である。

ここに紹介する廃タイヤ火災は、平成五年頃から山裾を整地した場所に野積みされた廃タイヤ約二〇万本が焼失し、連続六日間(約一〇八時間)に渡り、消火活動を余儀なくされるという当消防本部がかつて経験したことのない火災である。

 

一 火災概況

(一) 火災発生日時

平成一一年一月二日(土)

一八時〇〇分頃

(二) 覚知時分

一月二日

一八時三六分(火災報知専用電話)

(三) 通報内容

第一報

「火事です。佐野ゴルフクラブのクラブハウスから見て南西の山です。炎が見えます。」

第二報(先着小隊長)

「二九三号線沿い。タイヤが現在延焼中。これより薬液にて消火を試みる。なお、第二出動願う。」

(四) 延焼防止

一月六日 六時一七分

(五) 鎮圧

一月七日 五時〇二分

(六) 鎮火

平成一一年五月現在 鎮火に至らず

(七) 出火原因

放火の疑い

 

二 活動状況

一月二日

一八時三八分

第一出動「古タイヤ集積場防ぎょ計画」による

佐野(広)消防 三台(化一、P二)

佐野市消防団 七台

応援

足利市消防本部 三台

足利市消防団  三台

一八時四六分 現場到着

一八時五六分 放水開始

一九時五二分

第二・第三出動

佐野市消防団 一七台

総放水口数 一四口

 

 

 

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