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Hello Firefighter

 

女優 名取裕子さん

 

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“消防署のお世話になったことがあるんですよ”

 

名取裕子さんが、東京・新橋演舞場六月公演「花の天勝」で、奇術に挑戦する。「花の天勝」は、明治、大正、昭和にわたって活躍した奇術師松旭斎天勝の半生を描く。当然なことだが、マジックの特訓を受けた。製作発表の席では、ハンカチの中から花を出したり、細ヒモを立てたりと、その特訓の成果をあざやかに披露した。「あっと驚くマジックが織り込まれています。見逃がさないように見て下さい。キツネや人形に変身したり、初めての宙吊りもあります」。手先だけでなく、体を張った舞台となる。

名取さんにとっては、これが五年連続の座長公演。平成五年、郷ひろみと共演の「権八小紫」で新橋演舞場に初出演した。その後、「女系家族」「御宿かわせみ」、昨年の「吉原炎上」で座長を務めた。「吉原炎上」では、燃えさかる炎の中に愛する人と飛び込んだ。

青山学院大学在学中、「ミス・サラダ・ガール」に選ばれ、昭和五一年、映画「星の嵐」に出演した。三浦友和の相手役だった。相手役といってもチョイ役。女子学生役で一五秒くらい映っていたそうだ。本格的デビューは翌年のテレビ小説「おゆき」(TBS)の主役。以後、テレビ、映画、CM、舞台と大活躍。楚々とした女性、活発なキャリアウーマン、小悪魔的な女と、どんな女も演じ分けてきた。

その名取さんが、今年春の全国火災予防運動のポスターに起用され、「切り札は火災予防の心がけ」と、火の用心を呼びかけている。「消防署のお世話になったことがあるんですよ」とびっくり発言。「殺虫剤のバルサンをたいたところ、煙がもうもう。これを火事と間違えられ消防車が来たことがあります」。聞くところによると従兄弟が消防士。「??吉原炎上?≠ネんて舞台もやっているし、??火?≠ノはいろいろご縁があるみたいです。火の扱いにはこれから十分気をつけるようにしたいですね」。そして、手のひらからパッとハンカチを取り出し、「火事はマジックで消すわけにはいきません」。

(インタビュー 編集部)

 

 

 

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