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他方、ホース四本の網状筏では、最大で大人八名〜一〇名(重量にして約五六〇kgf〜六〇〇kgf)以上が乗り込むことができる浮力があった。(写真No.7参照)

なお、網状筏では、その組み方により網目が大きくなるため、網目を小さくした方がより安定的な筏になった。

五 筏内注入空気の逓減試験について(表6参照)

陸上でジャバラ折りホース筏に注入した空気は、二四時間経過時においても、三kgf/cm2注入圧力時で八○%、五kgf/cm2注入圧力時で五四%、七kgf/cm2注入圧力時でも五四%の圧力が維持されていた。他方、海上に浮かべた網状ホース筏については、空気注入後二四時間経過時点で注入圧力五kgf/cm2のホース筏は一・四kgf/cm2、注入圧力の二八%、注入圧力七kgf/cm2のホース筏は一kgf/cm2、注入圧力の四四%しか維持されていなかった。

しかし、この注入圧力が減少した二四時間経過後のホース筏の浮力試験を実施したところ、ジャバラ折りホース筏及び網状筏ともに大人五名(重量にして約三七〇kgf)が乗り込める浮力を有していた。

六 代用オイルフェンス作成試験について

海上において大口径ホース(本資器材は、阪神淡路大震災後に大阪市消防局が導入した最新の送水資器材であり、基本的には三、〇〇〇L/分の消火用水を一km先に延長送水することを目的として作られたもので、ホース口径一五〇mm、長さ四〇mである。)三本を並列にし、一本には消防艇の消防ポンプにより海水を徐々に注入し、他の二本には消防艇のコンプレッサーにより空気を注入したところ、海水の注入タイムは二分一〇秒、空気の注入タイムは三分三〇秒となり、二本直列では、二分二〇秒かかった。

又、二本を使用して直列、並列状態にして各々陸上、海上で空気を注入したところ、すべて三分以内で注入が完了した。

 

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写真No.7

 

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写真No.8

 

 

 

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