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3. 「ゆうきの里 雲南」構想

 

こうして広域行政化が模索されたが、平成6年(1994)1月に至り、「中山間地域活性化広域的振興事業」推進のための準備会議が設けられ、あらためて雲南地域における課題を検討し、それの広域的な取り組みについて調査することになった。それに基づき同年7月29日には雲南3郡10町村で「雲南地域振興協議会」が設立された。この協議会による2ヶ年にわたる討議の結果策定されたのが、「旬を感じ、命を育むゆうきの里雲南」をキャッチフレーズとする基本構想であった。平成8年7月のことである。

「ゆうき」とは、第一義的には雲南地域が一体となり、有機的に連携し合って地域の活性化に当ることであるが、その発想はこの地域で行われていた減農薬、無農薬の有機野菜づくりにあったという。そこから「ゆうき」にはいろいろな意味が付与され、地域のイメージをあらわすキーワードとして用いられるようになった。以下の如くである。

 

【地域イメージ】

有機−各町村と雲南全体の有機的関係・体に安全な有機農業

有季−季節の変化が明快で、旬を感じることができる地域

勇気−新しい価値観を受け入れる勇気を持った地域

遊気−遊び心のある地域

裕気−心に余裕のある生活が実現できる地域

優気−互いを思いやる優しさに包まれた地域

 

意味づけを読めばなるほどと思われるが、多少苦しい造語もあって、関係者の苦労がしのばれるというものだ。したがって「ゆうきの里」が目指すものは、「旬を感じ生命を育む」というサブタイトルが示すように、

 

旬を感じることのできる豊かな自然の中、伝統技術と健康を支えるおいしい農産物を育んできた雲南において、それぞれの町村が持ち味を生かしながら有機的に連携し、ここに住む人々が誇りを持ってゆとりの暮らしを実感できる、人間性豊かな新しい生活の舞台を築き上げていく。

 

というものである。

 

 

 

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