■ロープの点検
ロープは定期的に点検して、損傷や劣化の状態を常に把握しておき、取替時期を失しないようにしなければなりません。
ロープの主な点検項目は、次のとおりです。
1]摩耗の程度
全長を通じて最も擦られる部分、また目で見て最も細くなっている部分の直径を数箇所測定する。
2]断線の有無
断線の本数とその分布状態、すなわち、断線箇所相互間の距離、同一ストランドか否か、同一素線か否かを調べる。
3]腐食の程度
赤さび程度か、腐食にまで進んでいないか、内部腐食の懸念はないか調べる。
4]グリースの状態
グリースが残っているか否かを調べる。
5]形くずれ、その他異状の有無
キンクの形跡、つぶれ、きず、くぼみ、浮き、よりもどりなどについて、その程度と位置を調べる。
6]継ぎ箇所の異状の有無
継ぎ箇所の差込み末端素線が飛び出していないか、抜けかかっていないか、またクリップがずれていないかなどを調べる。
7]ロープ端末部の異状の有無
ロープと取付金具との境目で、ロープのずれ(すべり出し)はないか、断線や腐食がないかを調べる。
検査の結果、正しい状態に修正できるものは手直しすることはもちろんです。ロープの寿命は仕事量によって決まりますので、使用期間も重要ですが、それとともに運搬回数・運搬量などを記録しておきますと、寿命判定の参考になります。
■取替時期の目安
ロープの取替時期が遅れますと、事故発生の危険が増大してきますので、その判定には慎重を期さなければなりません。
判定の目安となる断線数や摩耗による直径の減少率などについて、以下に示しますので、参考として下さい。