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「水運+自動車」

船社B/Lによる輸送は実質的には使われなくなっている。その理由として

・ロシアでの着地内陸ターミナルが一定しない(自社通関場所までのさらなる保税輸送が必要になる)。

・ロシア側の港湾(メインポートはサンクトペテルブルグ)における荷役の迅速性や安全性がきわめて不安視される。

等の点があげられる。

 

「自動車」

フィンランドからロシアヘの輸送は、そのほとんどがロシア側トラックの引き取り形態で行われている。したがって、フィンランド側からみた場合、仕立業務に関与できていないことから、ビジネス面での魅力には欠ける。

フィンランド側の業者がビジネスに参加できていない理由として

・ロシア側車両の方がフィンランド側車両より運賃が安い。

・さらに、ロシア側の事業者の方が、不透明さのあるロシア側税関への対応等のノウハウの蓄積がある。

といった点があげられる。

 

「鉄道」

鉄道輸送については、自動車輸送に比較して貨物量が減少しつつある。その原因として次のような問題点が考えられる。

・定期的ダイヤというものは存在せず、国境の編成駅に輸送され、一定量になるまで発車されない。ハミナやコトカでも鉄道貨物は受託可能であるが、両駅とも編成駅ではないため、そこから編成駅であるバイニッカラに送られる。バイニッカラで一定量になった時点で発送となるため、ハミナやコトカで貨物を預けた時点では、スケジュールが不明な状態であり、輸送定時性に欠ける。

・編成駅はあくまでも鉄道貨物の取り扱いを行う駅であり、そこでのトラックヘの積み込み、積み替えは受託していない。

・編成の次第によって、モスクワの16あるターミナルのどこに到着するかがわからない状況にあり、その情報入手あるいは到着後の保税手配等が必要となる。

 

このような点から、ドアデリバリーが可能な自動車輸送が主流となっている。

 

 

 

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